歯のコラム

歯医者さんの麻酔で痛みを抑える方法 Part2


『痛みと不安を取り除く治療』とは?

明けましておめでとうございます。

「道頓堀キムラ歯科クリニック」の院長の木村沢郎(キムラサワオ)です。

前回、「痛みの少ない麻酔」を行うための技術的な配慮についてお話をさせていただきました。今回は、不安を取り除くことで痛みを抑える取り組みについて説明を行いたいと思います。

わたしは近畿大学付属病院での医科研修の中での麻酔科やメンタルヘルス科での経験や、大学病院での歯科口腔外科での4年間を通して、痛みが強い患者様や慢性疼痛をお持ちの患者様を多く診させていただきました。その様な患者様に対して少しでも自分が出来ること身に付けたいと思い、痛みを取り除く取り組みや痛みに配慮した治療に対しての勉強と臨床を行ってました。その経験が、歯科医療での「痛みと不安を取り除く治療」を実践する際に生かされていると日々感じます。

不安が強いと、痛みを感じやすくなる?安心感が痛みを和らげる?

「不安が痛みを大きくする」と聞くと意外に思われるかもしれません。

私の長男と次男が予防注射を受ける話を聞いていると、精神状態が痛みを大きく左右することを改めて実感します。

ワクチンの注射を待っている子供さんが、病院の待合室で泣いている場面を見かけることがよくあります。うちの長男も次男も注射を嫌がることは少ないのですが、特に次男は注射が平気みたいです。

4歳の次男は、予防注射を行う日も嫌がることなく元気にお医者さんに行ってきます。注射があった次の日の朝には、「注射は全然痛くなかった」といつも自慢げにお話をしてくれます。妻の話では、看護士さんに名前を呼ばれたら一人で診察室に入り、痛いと言うことも泣くこともなく、顔色を変えずに戻ってくるとのことでした。

小さい頃から子供達には、注射は怖くないイメージを持ってもらうように意識をしていました。

「お父さんが子供の時には注射で泣いたことがないよ。いつも、なんともなかったよ。」

と、小さい頃から言い続けてたお陰で、予防注射は怖くないと思ってくれていることに繋がっているかもしれません。

ちなみに7歳の長男は、「少し痛かったけど、泣かなかったよ」とのことなので、少しだけ注射に対して怖いイメージがある様です。

実際の予防注射の痛みは、注射で泣いている子供さんも、うちの次男も大きな違いはありません。

違いは、注射が痛い、怖いと思う恐怖心を持っているかどうかの違いだと思います。

痛みを感じるかどうかは、精神状態に大きく左右される

「疼痛の強さは刺激に対して常に比例するものではなく、主観的、個人的なものであ り、過去の経験、疼痛に対する注意や患者の状態によって影響される。すなわち痛みは、 状況によって感じ方が変化する。」

(出典:疼痛コントロールのABC、日本医師会雑誌特別号)

痛みを感じるかどうかは、精神状態に大きく左右されます。

特に不安や恐怖感、過去の歯医者さんでの痛みの経験などが、痛みを感じやすくさせる大きな要因になることがあります。

それとは逆に、今感じている強い痛みや、過去の歯医者さんで苦労されたことなどに対して共感をしてもらうことで痛みを和らげることが可能になります。

また、痛みの原因を明確にし対処方法が分かるでも、不安が取り除かれることで同じような効果がある場合があります。


「痛みを和らげるため」に、当院で大切にしていること

歯医者さんが苦手な方に出会うことが多くあります。

「麻酔がものすごく痛かった!」「あの独特の痛みがイヤ!」

「痛みが大変だったことを説明しているのに、しっかり聞いてくれない!」

「専門用語の説明ばかりで、分かりにくい!」

「どんな治療をするか教えてくれなくて不安だった!」

など、

その多くの方が過去に出会った歯医者さんで、苦労された経験をされています。その辛い経験が積み重なって、歯医者さんが苦手になっている方が数多くいらっしゃいます。

当院では、患者様のお気持ちにしっかりと寄り添うことを大切にしています。

ご本人が一番悩んでいることに対してしっかりと時間を取ることが、不安を取り除くことに繋がると考えています。

強い痛みを長い期間我慢されていたことや、歯や神経を残すことができるかどうか不安をお持ちであること、奥歯でしっかりと噛めないために好きな食事ができないこと、口元の見た目が気になって人前で笑顔になるのを長年気にされていること、、、、

時間をかけてお話を伺う中で、患者様が不安に感じていることや大切にされていることを共有させていただきます。

みなさまのご不安や痛み、お口のトラブルの原因を明らかにし、その解決方法を時間をかけて説明させていただきます。

少しでも安心して治療を受けていただく準備を整えることが、不安を減らし痛みを抑える治療に繋がると考えています。

患者様が安心できる環境を整え、前回お話しした「丁寧な麻酔」を行うことで、苦手な歯医者さんの麻酔を克服される方がたくさんいらっしゃいます。

もし、歯医者さんの麻酔に抵抗感がある人がいらっしゃっいましたら、ご相談だけでも結構ですのでいつでもお待ちしております。

長文を最後までご覧くださり、ありがとうございました

道頓堀キムラ歯科クリニック

院長 木村沢郎

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