歯のコラム

麻酔について


こんにちは。

2022年10月1日にオープンした、道頓堀川沿い、なんば駅から徒歩3分、心斎橋駅から7分にある「道頓堀キムラ歯科クリニック」の院長の木村沢郎(キムラサワオ)です。

今回は、「痛みの少ない麻酔」についてお話をしたいと思います。

歯医者の麻酔が苦手です!痛くない麻酔ってあるんですか?

「麻酔をしても効かいまま治療をされて、それから歯医者さんに怖くて行けなかったんです・・・」

「歯の麻酔の独特なチックとする痛みがすごく嫌です」

「腕の注射は我慢できるけど、歯の注射だけは苦手です」

残念なことに、このようにおっしゃる方に接する機会が非常に多くあります。

本当に歯医者さんの麻酔は痛いのでしょうか。

一般的に大人の方よりも子供の方が、歯医者さんが苦手な人が多いと思います。

子供の虫歯治療を多く経験していますが、丁寧な麻酔を行うと、麻酔で痛がる子供さんはほとんどいらっしゃいませんでした。(お子様の場合、歯医者さんのイスに座る練習や、お口を掃除機で吸う練習、ちょっとでもしんどい時は左手をあげると治療が止まるという安心感を持てるように準備が整ってから治療に入っています)

大学病院での呼吸器内科やメンタルヘルス科などの医科研修や歯科口腔外科、一般歯科での小児患者から歯科恐怖症の方などの経験を通して、痛みの感じ方や麻酔の作用、不安が痛みの関係性などを深く理解することで、痛みを感じることが少ない麻酔が可能になると学びました。

今回は、当院で心がけている「丁寧な麻酔」についてお話をしたいと思います。

丁寧な麻酔

「丁寧な麻酔」を行うためには、技術的な配慮と精神的な配慮の両方が必要になります。

まずは、痛みに配慮した当院の技術的な取り組みについて、ご説明させていただきます。

①表面麻酔を置いてから十分に時間を待つ 

ハリケイン

歯医者さんの麻酔で痛みを感じるポイントは2つあります。1つ目は、針が刺さる時の痛みであり、2つ目は麻酔液が入って行く時に圧迫させることで感じる痛みがあります。

1つ目の針が刺さる時の痛みに対しては、針の注射を行う前に表面麻酔のゲルをおくことが効果的です。表面麻酔塗布後に30秒ほどおくことで9割の方が効果発揮されますが、3分以上おくことでほとんどの方に表面麻酔の効果が現れます。当院では、3分以上表面麻酔の効果を待ってから局所麻酔を行います。

表面麻酔が効き始めると、ぼやっとした感覚になり、針が皮膚に入る瞬間の痛みを大きく軽減することが可能になります。

②直径0.23mmの極細針(35G)を使用

直径0.23mmの極細針(35G)

針が細いほど、針が皮膚に入る瞬間の痛みを軽くすることができます。

当院では日本製のカルプーレ35Gを使用しており、一世代前の33Gの直径0.26mmよりもさらに細い針になっています。企業努力により35Gの内径は33Gと同じであるため、圧力を余計にかけることなく麻酔が可能になります。また33Gに比べて、針を刺す抵抗値が15%軽減されており、より優しい針になっています。 

③粘膜にテンションをかけて、拡大ルーペ下での針の深さを精密にコントロール

表面麻酔を置いてから十分な時間を置いてから局所麻酔を行います。その時に重要なことは、針の深さをできる限り浅く入れて表面麻酔が効いている場所以上には針先が行かなようにコントロールすることです。

まずは頬や唇を引っ張ることで粘膜にテンションをかけます。テンションをかけることで痛みを感じるポイントが分散することが可能になり、また不用意に針が深く進むことを避けることができます。

針先のカット面のみを入れるためには肉眼では0.23mmの針先が確認できません。そのために拡大ルーペ(カールツァイス社製4.3倍)を使用して、カット面のみをそっと入れることで痛みをほぼ感じることがない刺入が可能になります。 

④超低速の麻酔のスピード

痛みなく針を刺入した後に大切なことは、最初の麻酔液をできる限りゆっくり入れてあげることです。

麻酔の痛みの多くは、針を刺入直後に慌てて麻酔薬を一気にい入れてしまうことにあります。忙しい医院や多くの患者様を同時進行で診ないといけないような歯科医院では、麻酔をゆっくり行うことが多いのが現実ではないでしょうか。

電動麻酔器

また電動麻酔器を使っている歯科医院さんも多いと思います。電動麻酔器は一定速度で機械が入れてくれるのでゆっくり麻酔薬を入れることに役立ちますが、スピードのコントロール感と操作性が好みではないので当院では使用していません。最近は軽い電動麻酔器も販売されていますが、それでも使用しているものよりもかなり重いため、細かい操作性に難があります。

 刺入時の最初の麻酔薬の量は極少量のみを入れます。注射筒を押すのではなく、指を軽く置くぐらいの、極弱い力のみをかけて麻酔液を入れます。少し待った後に、先ほどよりも気持ち指に力をかけて薬剤を入れていきます。その後は麻酔が効いてきているので、特にスピードを気にしなくても問題ありません。

ここまでの細かいスピードのコントロールは電動麻酔器では難しいため、私が電動麻酔器を使っていた時よりも今の方法で行う方が、以前よりも痛みが少ない麻酔を行うことができるようになりました。


道頓堀キムラ歯科クリニックでは、患者様にできるだけ痛みのご負担が少ない歯科医院を目指しています。「痛い歯医者さん」から、「痛みのない、安心できる歯医者さん」を目指して、これからもこだわりを持って診療を行なっていきたいと思います。

道頓堀キムラ歯科クリニック 

院長 木村沢郎

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